第二十四回。【パッケージ解体】この時期だからこそ「ビオレガード 」回転止めに立脚式 解体しがいのあるスライドブリスター。
【パッケージ解体】シリーズ。初めてパッケージを製作する。どういうものを揃えて、どういう仕様にしたらよいか分からない。ならば、パッケージの先人のまねをしてみることを勧める。もちろん、まねて良いこと悪いことは存在する。しかし、先人がこのパッケージをどういう意図で設計し作製したのかを理解することはとても有意義なことだと思う。そんな気持ちをこめて始めたこの【パッケージ解体】シリーズ。
はい、これと嫁さんに渡された。「手指用消毒スプレー」 この時期でなければこの家にはなかった商品かもしれない。よくよくみると、回転止めに立脚式のスライドブリスターだ。
ナイスタイミング 。と言っても違った意味なのだが。 彼女に感謝して、今日は花王製「ビオレガード 薬用手指の消毒液S」。
・花王「ビオレガード 薬用手指の消毒液S」
介護・育児をされているご家庭、ペットを飼われているご家庭などにおすすめ。ツメの間も直接ねらえるビオレガード薬用消毒スプレー。トリガータイプのスリムボトルで持ち歩きにも便利。気になった時すぐにシュッと消毒できます。
円柱形上の製品は、ブリスターの中で回転しやすい。それのなにがまずいのか?品名が横を向いてしまって見えづらくなる。最悪は、全く見えなくなる。
その防止に使われるのが「回転止め」という仕様だ。上の画像で言うと、側面の山形のへこみがそれに当たる。うっすら黒線で囲んでみた。(手前囲みは立脚部分)
側面の一部の傾斜を立てることによって、ブリスターが製品に接触するようにする。その摩擦によって製品の回転を防ごうとする。ビオレガードのスライドブリスターの場合、片側に2か所、計4か所の回転止めがつけられている。画像の赤い囲みの部分がそれだ。
台紙を外してブリスターを持ち上げてみる。製品がストンと落ちず、ひっかかっているのが分かる。このひっかかりで回転を出来る限り抑える。
傾斜を立てると言っても垂直または逆勾配にするわけではないので、生産性には大きく影響しない。逆を言えば摩擦に頼る仕様であるがため、製品の回転を完全に防ぐことは難しいと思う。
セット時には真正面に向けていたとしても、配送時の振動その他で製品が回転してしまうことが多々ある。実際、購入した製品も画像のとおり、少々回転していた。あくまでの出来る限り抑えるという仕様だということだ。
さて、このスライドブリスターは立脚式で自立するようになっている。売り場の状況によって、掛けて売ることはもちろん、立てて販売することもできる。
脚の部分の勾配を立てて(おおよそ1~2°程度)パッケージが自立するようにする。こう見ると、頭側(製品キャップ側)の勾配がかなり寝ていることがわかる。しわ(ウェブ)を出づらくしているのだろう。しわは成形品の角に出やすく、そこに角R(丸み)と勾配をつけると出づらくなる。
これが「ビオレガード薬用手指の消毒液S」のパッケージ一式。台紙の左右の辺が少し内側に小さくなっているのがわかる。スライドブリスターの左右両辺の折り曲げ部分をこのへこみの中に入れてひっかけてしまう。ブリスターと台紙のとめ方の一つである。
全ての分野でとは言わないが、少なくとも文房具の分野で使われているスライドブリスターではこのとめ方が多く使われている。ためしに、文房具売り場に行かれた際にご覧頂ければと思う。
このタイプのスライドブリスターは、片側の折り曲げ部分を開くような形で台紙をはめこむ。もはや、スライドブリスターとは言えないかもしれない。すでに別名があるのかも。
「ビオレガード 薬用手指の消毒液S」を実際に使ってみた。両手にスプレイ。指のささくれがしみるくらいだから、しっかり消毒されているのだろう。液体自体はペタペタせず、乾きも早かった。
真空成形品を使ってみようよ!
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