第六十九回。【おめんを語ろう。その六】近況編

第六十九回。【おめんを語ろう。その六】近況編

お面の制作工程や、新規で発売される製品の話などを中心にお話して いく【お面を語ろう】

第六回目は「近況編」。

2020年4月に第一回目の緊急事態宣言が首都圏に出されて、約一年。この間、お面の製作現場がどういう状況であるのかをお話したいと思います。

お面製作の現場は開店休業状態。

弊社の場合、お面の納品先には夜店などで売られる「お祭り系」とコンサートやフェスなどで売られる「イベント系」とがあります。

お祭り系のお面を最後に納めたのは昨年5月。

半製品を含め、お面の仕事に弊社が携わって数十年。こんなことは初めてでした。

最後の納品は2020年5月。それ以降約一年、多くのお祭りが中止または規模を縮小している中、「お祭り系」のお面に関しては生産がストップしています。

イベント系のお面は話自体がない。

イベント系のお面はその時限りの生産ということがほとんど。毎年同じものを追加で生産するということはまずなく、その度ごとに「提案出し・決定・生産」の繰り返しです。

この一年、提案出しの話はほんの数件。イベントやフェス自体が中止または延期になってしまっている以上、仕方なく思っています。

コロナ騒動が収束した後の心配。

現時点(2021.4)で、この騒動の収束はまだ見えていません。この後のワクチン接種がどう影響してくるのか。

そして収束をした後にお面の生産は戻るのか、それ以前に、お面を生産することができるのか。

お祭り系お面を中心に生産数の減少。

この騒動が起きる前からここ数年、お祭り系のお面の生産が減少しています。お祭に行ってもお面を販売する露店の数が減ったということは分かります。

この騒動下、販売するお店がより減れば、取り扱う卸店、そして生産を支える小さな現場がこのままフェードアウトしてしまうのではないかと危惧しています。

何にしろ、この騒動の一日も早い収束を願うばかりです。