第五十六回。【パッケージ解体】さしてとめる カンミ堂「ペントネ(詰め替え用)」今日は紙製。
【パッケージ解体】シリーズ。初めてパッケージを製作する。どういうものを揃えて、どういう仕様にしたらよいか分からない。ならば、パッケージの先人のまねをしてみることを勧める。もちろん、まねて良いこと悪いことは存在する。しかし、先人がこのパッケージをどういう意図で設計し作製したのかを理解することはとても有意義なことだと思う。そんな気持ちをこめて始めたこの【パッケージ解体】シリーズ。
「差して留める」。この製品のとめ方はあまりにシンプルかつ有効で ‵参ったなぁ‘と思わず手にした一品。今日は紙製のパッケージ、株式会社カンミ堂「ペントネ(詰め替え用)」。
ペントネ
『PENtONE(ペントネ)』は、ペンサイズのケースにふせんを内蔵した、ペン感覚で持てるフィルムふせんです。単にスリムなのではなく“ペンサイズ”であることで、ペンといっしょに持ち運びやすく、ペンと単体で持つときも、ペンケースに入れる際もかさばりません。ペンスタンドに立てておくこともでき、外出時やデスクワーク時、あらゆるシーンでいつでもあなたのそばにいます。―カンミ堂「ペントネ」より
商品越しに障子を見る。これだけ背景が入り込む。全体としてとてもすっきりしている。
開封。製品3本・OPP袋1枚・台紙1枚のパッケージ構成。
台紙だけを見ると増してすっきり。と言うか、スカスカ。これでしっかり機能しているのだから、パッケージの設計というのは大事なものだと改めて思ってしまう。
台紙へのとめ方は製品の中芯に上下二本のひっかけを差し込むだけ。冒頭書いた通り、この製品を目にした時にこの「差し込むだけ」は本当にシンプルで有効な方法だと思った。悔しいのだが、印刷物に比べると初期費用のかかる成形品をわざわざ使う必要はないと思ってしまったのだ。
台紙のひっかけ、特に上のひっかけにそこそこ長さがあるため製品が外れてしまうことはまず無いと思われる。この状態だけならば上下に動くし、製品もくるくる回ってしまう。しかしOPP袋でしめつけられるように封がされているためガタつきは感じられなかった。
逆にこの長さゆえに、写真を撮るためにもう一度セットするのに苦労した。単に使うだけなら破ってしまえばいいことなのだが。念のために現場にいるつもりでセットをしてみた。
私が不器用なのか、うまく差し込めない。動画ではそのまま諦めてしまった。その後、ひっかけをかなり倒せば製品に差し込むことができることがわかった。しかし、ひっかけの根元に倒した痕(白化)が残ってしまった。これをきれいに、恐らく早くセットしている現場に感心。
今回の「ペントネ(詰め替え用)」パッケージを解体してみて。成形品には成形品の良さがある。しかし、成形業界に長くいると「成形以外」という柔軟な考え方をしなくなってしまっている自分がいることを痛感してしまった。
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