第四十七回。【パッケージ解体】またもやヒゲがらみ。Schick 「ハイドロ5カスタム」補強リブの多さをみよ。
【パッケージ解体】シリーズ。初めてパッケージを製作する。どういうものを揃えて、どういう仕様にしたらよいか分からない。ならば、パッケージの先人のまねをしてみることを勧める。もちろん、まねて良いこと悪いことは存在する。しかし、先人がこのパッケージをどういう意図で設計し作製したのかを理解することはとても有意義なことだと思う。そんな気持ちをこめて始めたこの【パッケージ解体】シリーズ。
40を過ぎ50を過ぎ、加速し続けるかのように狭くなっていく頭髪。
反して広さを増していく顎鬚。
これはまさにゼロサム理論なのだ。パイの取り合い、一方が得をすれば一方が損をする。間違いなく頭蓋骨の中で一本の毛を上と下が引っ張り合っているのだ。
わたしとしては上に頑張ってほしいのだが、形勢は相当不利なよう。ならば状況を素直に受け入れ、これからのことを前向きに考えるべきなのだ・・。
などと嫁さんに講釈をたれていた(そうだ)ら、誕生日のプレゼントがまさかのヒゲトリマーとなった。ならば、ちょっとは気にしてよということなのだろう。
第三十四回。【パッケージ解体】ハッピーバースデイ!プレゼントはひげトリマーだった。
ここまで気を使ってもらう以上、わたしも今まで以上に形姿は整えよう。トリマーは整えるだけ、反ることはできない。電動シェーバーは持っているが、元々「かみそり派」のわたし。パッケージ解体の材料探しではなく、この日は素直に髭剃りを買いに行ったのだ・が。
これがよく使う貝印の髭剃り。お得感満載でよく剃れるのだが、そこまで深剃りはできない。何本かのセット商品ではなく刃が取り換えられるちょっといいやつにしよう。袋売りじゃなく、合体ロボのようなパッケージ入っているちょっといいやつ。
・Schick「ハイドロ5カスタム」
で、実際に買ったのがこれ。Schick「ハイドロ5カスタム」。紙箱じゃん。だって、合体ロボより格好よかったんだもん。
ハイドロ5カスタム
あなたの肌と剃り方にカスタマイズされた剃り味
ヒゲの剃り方、肌質はひとりひとり違います。シックはどんな剃り方、肌質にも応じたカスタムシェービングを提供できる全く新しい製品を開発しました。
肌に密着してしっかり剃れる衝撃吸収テクノロジーと、肌を摩擦から守る3つの保湿ジェルが抜群の剃り心地をもたらします。
画像では見づらいのだが、外箱天面の品名部分は「盛り上がり印刷」がされている。他の部分も光沢をかけたり。黒は艶消し、そこに艶あり、盛り上がりは格好がいい!って、結局パッケージ買い。もう病気かもしれない。
外箱1、製品を乗せるプラ台座1、商品の保護と固定を担うプラふた1がパッケージ一式。
四隅の四つの柱が外箱の内側高さに近く設定され、箱の中でのバタつきを抑えている。
台座はおおよそ形状に沿って作られており、製品を乗せてもしっくりくる。マッハ号のよう。
外箱を内側から支えることになる「ふた」は至るところに補強が入れられている。この面積でかなりの凹凸成形。伸ばされて薄くなるところも当然出てしまう。これで材料厚を抑えることもできるかもしれない。
台座・ふたともに「PVC」の表記。成形に塩ビが使用されていることがわかる。国内の生産ではまだまだ塩ビの復活は遠いが、石油の使用量が他のプラスチックに比べて極端に少ない塩ビの使用量が増える日も再び来るのではないだろうか。
成形品を見てみる。真空穴が大きい。1㍉程度のドリル刃で穴を開けているのではないかと察せられる。わたしが型を作るならば、もう少し細いドリルを使うだろう。
成形品をとおして障子の組み子を見てみると分かるが、仕上がりの状態がきれいだとはお世辞にも言えない。
しかし先程の真空穴にしろ、成形の仕上がり状態にしろ、ここは外箱に入れてしまえば見えないところである。お客様のご理解を頂き、こういうところは省力化して納期の短縮、コストダウンに寄与するべきだとわたしは考える。
さて、外箱。この日、商品を購入したのは近くの島忠ホームズ(シマホ)。ご覧のとおり、店の管理タグがしっかり貼られている。管理タグとはどんなものかを知らず「きれいにはがして写真を撮ろう」と思ったら、大の誤算。
これがはがせない。シール表面の紙の部分をはがして出てきたのが、電子回路らしきもの。これがべったりくっつけられている。無理にはがしたところ外箱が破れてしまった。なんてこと!この写真は昨日から始めたインスタグラムにも載せるのに。
しょうがないので、アイキャッチ用の画像はソフトを使って破れた部分を補修した。管理したいのは分かるが、パッケージも含めて商品だと考えればこれはないよな。(怒)しかし、こんなふうに回路が埋め込まれているんだね。
外箱裏面。訴求したいポイントには全て光沢印刷がされている。
側面にも。これでもかというほど光沢、光沢で主張。それでも嫌らしさを感じさせないのはデザインの力なんだろう。毎度思うのだが、かっこいいというのは正義だ。
この【パッケージ解体】を始めてから、モノを買う視点が完全に変わってしまった。いや、視点が追加されたと言ったほうがよいか。パッケージの奥深さ、魅力の底なし沼に入り込みそうだ。
明日、この製品を早速ためそう。嫁さんのくれたトリマーに、ちょっと高い(と言ってもたかが知れているが)髭剃りで、ちょっとは形姿を気にする中高年者になろう。
・翌朝
整えて剃ってみた。今までの自分とこれからの自分をわかりやすくするために、真ん中に線を引いた。向かって左側がこれからの自分「ひげトリマー+ハイドロ5」。右側が今までの自分「はさみ+袋売りひげそり」。整えも反りも同じ場所は1回のみ。
あごひげに関しては自由度はハサミに軍配が上がるが、仕上がりは左側のトリマーの均一感が優ると思う。あご下のひげに関しては明らかに「ハイドロ5」の方がきれいに剃れている。それは触った感じ、肌の色で分かる。
加えてどうやらこの商品は替刃にココナッツオイルが配合されているらしく、剃った後の匂いも好ましい。
とりあえず、これからの自分で行こうと思う。嫁さんからの期待も担って。
真空成形品を使ってみようよ!
- ‘これから’という元気なお客様とのお取引も大切にいたします
- むずかしい専門用語は使いません。分かりやすい仕事をめざします
- 真空成形品導入の際にネックになりがちな、型の製作費用の節減をめざします
- 限られた時間の中で丁寧な仕事をめざします。お客様へ安心感のご提供を志しています
- 前の記事
第四十六回。【四の五の4】JFYILOGのインスタグラムを始めました。 2020.07.27
- 次の記事
第四十八回。台紙や外箱の印刷で目を奪う ひとくふう。 2020.07.29
コメントを書く