第四回。真空成形用プラスチックの規格サイズ-【ロール編】巻いてあるから速いんだ。

第四回。真空成形用プラスチックの規格サイズ-【ロール編】巻いてあるから速いんだ。

成形品の生産費用を考える上で、材料面積からどれだけ経済的に数がとれるかというのは大きな関心ごとになります。
製品のとり都合は、縦横のサイズだけではなく高さも大きく影響を受けます。
前回お話ししたように、型の形状がオ型(凸型)の場合、型を並べる間隔はその高さ×1~1.5ととなってくるからです。

製品の絶対的なサイズや形状が、あらかじめ決まっているならばしょうがないことです。
しかし、これから製品仕様の検討ができるならば、材料に対して経済的なサイズを設定していくとは一考に値すると思います。

真空成形用プラスチックの規格サイズと取り都合の話。
1回目は、ロール状の材料の話をいたします。

真空成形用プラスチック材の形態には、大きく分けてロールと平板があります。

ロール材は自動機に、平板は単発機に使う。

この材料の状態の違いは、使用する機械の違いに関係します。
ロール材は自動機に、平板は単発機に使用します。

自動機はチェーンクリップが材料の両端をくわえて機械内にひっぱり、巻きがなくなるまで成形をし続けます。
数の多いものを高速で生産するために使用する機械です。

一方、単発機は1枚1枚手差しで成形を行います。
巻くに巻けない厚手の材料や印刷のかかった材料の生産に使う成形機です。

規格項目はグレード・色・厚み・幅・巻き重量など。

材料の規格項目は、グレード・色・厚み・幅・巻き重量が上げられるでしょう。
今日はサイズと取り都合が主題ですから、特に材料幅についてご説明します。

規格材料の幅は、640ミリが一般的。

規格品の材料幅で一般的なものは、640㍉と460㍉です。
そして成形現場で実際によく使う幅は、圧倒的に640㍉幅ではないでしょうか。

実際私も30年近く成形加工業に携わっていますが、もっぱら640㍉幅を使用しています。
ある程度の数量を自動機で生産する上で、460㍉幅は小さいと私は思っていました。

機械的には、使用する材料幅に合わせて調整をすることができます。
ただし、機械の材料をくわえる幅を直すだけでは成形はできません。

型をセットするベースも、その幅に合わせたものに取り換えなくてはいけません。
ベースを作るのにも多額の費用がかかりますし、ベースを取り換えるのも時間がかかるため、一つのサイズ幅で出来るならばそれに越したことはないのです。
それが、640㍉幅固定で私が成形をしてきた理由でもあります。

オ型でとれる型数は、メ型なら少なくとも同数とれる。

取り都合に関しては、オ型で成形する場合でお話します。
オ型とメ型の話の時にご説明したとおり、オ型の方が取り都合が悪いからです。
基本、オ型で取れる型数はメ型でも取れると考えてよいと思います。
(どちらの形状を選ぶかは、取り都合の問題だけではありませんが)

型の形状がオ型(凸型)の場合、型を並べる間隔はその高さ×1~1.5 。

弊社でよく作る成形品、お面を例にとってご説明します。
200×180×高さ50㍉のお面とします。
お面の側面の傾斜はとてもなだらかなものが多いですから、型間も最小の×1とします。
下記の図のイメージです。

お面を例にした取り都合の型の取り都合1

材料幅は640㍉ですが、両端を機械がくわえますので使える幅は600㍉。
その中で、このお面がいくつ取れるか考えます。
図のとおり、天地200×左右180×高さ50㍉、型間50㍉では、幅方向に3型は取りつけられません。

取り都合を優先して、製品のサイズを決めてみる。

では、逆に取り都合を優先してお面の仕様(サイズ)を決めてみることにします。
イベントでお面をつかいたいという方向性は、決まっているとします。
どんなお面を使うかは決まっていない。
しかし、予算は決まっていると仮定します。

お面を例にした取り都合2

天地240×左右150×高さ50㍉の面長のお面に仕様を変えてみます。
例えば、能面のような形状。
図のとおり、天地240×左右150×高さ50㍉、型間50㍉で幅方向に3型が取りつけられます。

実は、先程の3型を取りつけることのできなかったお面とは面積は同じです。
サイズを考慮しただけで、単純に2個から3個ではないですがかなり取り都合がよくなりました。
実際にサイズを優先した仕様を提案して、生産にこぎつけたお面が過去にありました。

材料面積からどれだけ経済的に数がとれるかを考えることは大事。

すべての成形品で、こんな単純に考えることは出来ないと思います。
しかし材料面積からどれだけ経済的に数がとれるかを考えることは,仕様を決める大きな判断材料になりえると私は思います。

次回は、平板(カット板)のことをお話します。