第四十八回。台紙や外箱の印刷で目を奪う ひとくふう。
前回の【パッケージ解体】に使用したSchick「ハイドロ5カスタム」。
外箱のデザインに目を奪われて予定外のモノを購入してしまったというお話をしました。
マットブラックの地に光沢、盛り上がり印刷を加えてとてもデザイン性の高い外箱でした。
せっかくの良い機会なので、印刷物にひと工夫加える印刷技法をいくつか紹介したいと思います。
これからの記事は、会社の公式サイトに掲載していた記事を移転させてものです。
お付き合いを頂いている「株式会社プロセスコバヤシ」様より資料のご提供を頂きました。
1.UV厚盛印刷
専用の特殊インキで厚く盛り上げる印刷方法。部分的に凹凸を作り出し、艶感・盛感・質感のある印刷物に仕上げます。強調したい部分にインパクトを与え、メリハリの効いた高級感を演出します。用紙や下地の色によって効果に差があり、マット質の盛上げも可能です。
2.リオトーン印刷
UV(紫外線)照射で固まる専用UVインキを使用する印刷方法。「擬似エッチング」とも呼ばれ、ざらついた触感、エッチングや砂目調のような見た目も得られます。蒸着紙や金銀系の用紙への印刷が最も効果的です。
3.テクスチャー印刷
UV(紫外線)照射で固まるインキを使用して様々なテクスチャー(感触・質感)を表現する印刷方法。インキ・デザイン・印刷技術を組み合わせ、革・木・石等様々な素材の質感をリアルに表現します。ザラザラ・ツルツル・凹凸と、見るだけではなく触って楽しめるインパクトのある印刷です。
4.ちじみ印刷
専用のUVインキで、波長の異なるUV照射装置を通すことで特殊なちじみ模様を作り出す印刷方法。ちじみ印刷を施すことで、印刷物の表面にちりめん状のシワを発生させることができます。
5.香料印刷
香料オイルをとじ込めたマイクロカプセルを水性インキに混ぜた「香料インキ」を使用する印刷方法。印刷部分は、指圧等の圧によってマイクロカプセルがこわれ、香料オイル広がり芳香が発生します。
6.示温印刷
温度設定が可能であり、設定の温度帯より温度が上昇すると示温インキが透明になる印刷方法。設定温度や色のバリエーションを組み合わせることで、色々なアイディアを生み出しています。
7.クラック印刷
特殊な製版技術と印刷設備、特殊インキを用いるオリジナルな印刷方法。ガラスを砕いたひび割れの様なテクスチャーを表現することが出来ます。
8.パール印刷
パール粉をメジウム等の透明インキに混ぜて行う印刷方法。効果を出したい部分にのみにスポットで印刷が可能です。また、類似の偏光パール印刷もあります。こちらはパール顔料の偏光性を利用し、光の加減によって色が変化して見える印刷方法です。偏光パールインキは数十種類あり、用途に合わせて選択が可能です。
9.畜光印刷
光を蓄えて発光する顔料インキを使用する印刷方法。印刷部分は太陽光や電灯の光から紫外線を蓄えて、これを徐々に放出することで暗闇で発光します。発光は時間の経過とともに減っていきますが、再度光を吸収すれば繰り返しの発光が可能です。
10.ラメ印刷
インキ(UV・溶剤)の中にラメ粉を混ぜて行う印刷方法。ラメの輝度・乱反射等のきらびやかな効果でインパクトを与えることができます。ラメ粉は、金・銀・赤・青・緑など多種ありますので、用途によっては色の変化をもたらすことが可能です。用紙や下地の色によって効果に差があり、マット質の盛上げも可能です。
以上、サンプル画像出典は「株式会社プロセスコバヤシ」様となります。
真空成形品を使ってみようよ!
- ‘これから’という元気なお客様とのお取引も大切にいたします
- むずかしい専門用語は使いません。分かりやすい仕事をめざします
- 真空成形品導入の際にネックになりがちな、型の製作費用の節減をめざします
- 限られた時間の中で丁寧な仕事をめざします。お客様へ安心感のご提供を志しています
- 前の記事
第四十七回。【パッケージ解体】またもやヒゲがらみ。Schick 「ハイドロ5カスタム」補強リブの多さをみよ。 2020.07.28
- 次の記事
第四十九回。【おめんを語ろう・その3】原型編-1「基本的な考え」 2020.07.31
コメントを書く