第七十回。【パッケージ解体】やっとわかった(?)この筋押しのわけ / コクヨ「ネオマグ」
【パッケージ解体】シリーズ。初めてパッケージを製作する。どういうものを揃えて、どういう仕様にしたらよいか分からない。ならば、パッケージの先人のまねをしてみることを勧める。もちろん、まねて良いこと悪いことは存在する。しかし、先人がこのパッケージをどういう意図で設計し作製したのかを理解することはとても有意義なことだと思う。そんな気持ちをこめて始めたこの【パッケージ解体】シリーズ。
今回のこのブリスター。台紙に加工されているある仕様が気になって購入したのだが、その仕様の加工目的が想像できず。2か月の間放っておいて、今日ふと浮かんだ。
これ、引っ掛け棒に関係してるんじゃない?
2か月前のこと。おもしろいパッケージがないかと近くのLOFTに寄ってみた。
いつものように店内を一周するが、結局文房具売り場に引き寄せられるように行ってしまう。
この【パッケージ解体】で扱う製品に文房具が圧倒的に多いのは求めやすい価格帯だということも一つの理由だが、何より文房具メーカーのパッケージがおもしろいのだから仕方がない。
さて、今回のパッケージ解体はこれ!
スライドに熱圧着、これだけブリスターが吊り下げられている中で、なぜ曲がっている?なぜ台紙が曲がっている?これって昔からある常套手段?自分が知らないだけ?
いやいや待て待て、これは箱に多く入れるためと言ういつものやつか!入れ子にしたら重なりがいきなり良くなるのかやってみたが、その気配もなし。
これ以上は店頭では試せぬと買ってきたのが、コクヨ「超強力カラーマグネット(ネオマグ)」
・KOKUYO「超強力カラーマグネット(ネオマグ)」
POINT 1 保持力7倍アップ! (当社従来品に比べ) A4コピー用紙を※約20枚も保持できます。超強力なネオジウム磁石採用により、当社従来品に比べ約7倍の保持力を実現しました。※直径30mmタイプを対塗装スチール面で使用した場合。
POINT 2 傾けるだけでラクラク取り外し!ユニバーサルデザイン! つまんで傾けると軽く外すことができます。表面の凸部を人差し指で押し、親指でもう片方を持ち上げると軽く外すことができます。
POINT 3 環境にも配慮! 製品本体に再生樹脂を使用しております。分別廃棄が可能。
―KOKUYO 「超強力カラーマグネット(ネオマグ)」より
真空成形品としては、ごくごく普通の熱圧着式ブリスター。
成形品の隅に浮かしが作られていて、台紙と圧着しないようになっている仕様。これも定番。ここから成形品をはがしてマグネットを取り出す。
第十七回。【パッケージ解体】YONEXの「ウェットスーパーグリップ」今日は熱圧着。
その後も立てたり、
ひっくり返したり、
してみたが、このブリスター台紙に掘られた折筋の目的が分からない。知り合いの印刷会社に聞いてみたが、やはり入れ数がらみじゃないかと言う。いやいや、違うんだ。けど、分からない。
降参。次にいこう。
そして2か月後、
これ、引っ掛け棒に関係してるんじゃない⤴︎
そうここ、引っ掛け棒の先端の曲がりに。
それまではこんなふうにまっすぐの棒にぶら下げて考えていた。先が曲がった棒など手元になく、曲がった棒ならこの筋押しの謎を解き明かしてくれるかも・・なんて思いもしなかった。
しかし、売り場の引っ掛け棒は先端が曲がっている。そう気づいたが、と言って先曲がりの棒がいきなり現れるわけもない。CADを使ってイメージを作ることにした。(棒の長さ、曲がり角度などがわからないため、あくまでもイメージ)
あくまでも画面の中での推測なのだが、引っ掛け棒の先端が曲がっている場合、台紙の上部がくの字に曲がっていると引っ掛けられる製品数が増えるのではないか!
今回2か月もの間、解体の答えを出せずにいた。正直、この答えが正解かも分からない。しかし、加工にはかならず目的があり、その目的を達成するために真剣に考えた現場がいるということは間違いない。
たかが折すじ、されど折すじ。解体をする意義をあらためて感じさせてくれた、コクヨ「超強力カラーマグネット(ネオマグ)」。良い課題であった。
真空成形品を使ってみようよ!
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- 真空成形品導入の際にネックになりがちな、型の製作費用の節減をめざします
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