第六十三回。【パッケージ解体】最速えんぴつけずり その名も「2枚刃」表裏から刃がみえるブリスター
’日本製・最速!・1秒でも速く・2枚の刃で2倍速く削りあがる!テスト時の削り時間短縮に!’
おいおい、テストで鉛筆を削っていること自体で結果は見えてるだろ!!と突っ込みたくなるこのコピー。めでたくわたしはキャッチされて、今日はこのえんぴつけずりを解体。
・クツワ 「2枚刃鉛筆削り」
特徴
・従来の1枚刃手動鉛筆削りの約2倍の速さで削ることができる。
・左右両側から同時に削りカスが出てくる。
・従来の1枚刃手動削りより少ない回転で削れ刃への負担が少なく刃が長持ち。
・特許出願済
パッケージ全体を眺める。立脚式のスライドブリスターである。しかし、普通ではない。ブリスターがなぜか浮いている。うふふ、これはまた後で。
クツワ 「2枚刃鉛筆削り」のパッケージ一式。製品1・台紙1・スライドブリスター1の組合せ。
パッケージ全体が浮いていたのはこれが理由。成形を下に伸ばして背面にも凸を作っている。この凸部分に製品の裏面が収まることになるのでよりガタなく固定できる。
しかしこの仕様の一番の目的は、商品の売りである「2枚刃」を表裏からしっかり見せることにあったに違いない。
立脚もして、W型シェルパッケージの見せ方をスライドブリスターで行った仕様と言える。商品全体も、とても立体的に見える。
第三十六回。【パッケージ解体】デオナチュレ 「足指さらさらクリーム」W型シェルパッケージ初登場。そのしっかりとした脚をみよ。」
製品の表裏を見せるために犠牲になったものもある。それは印刷をする面積。
製品を貫通させるために台紙のその部分が切り取られている。つまり、印刷を入れられる貴重な面積が無くなっている。その代わりに台紙のヘッダー部分を折り返しにして、JANコードや説明文を入れる場所を表裏に作っている。
ブリスターも二つ折り、台紙も二つ折り。セットの手間は如何なものか?
折る手間は増えるし、ひっかけ穴のカス取りも1つ多い。ごく一般的なスライドブリスターと比べれば手間がかからないはずがない。しかし、実際セット作業を再現してみると思いの外、スムーズにやれた。(手間がかからないということではない)
セットがしやすいようにしっかり考えられている。成形の下端を伸ばして折り返す仕様の場合、折り返し部分をブリスターの左右の折り曲げ部分に差し込むのが案外面倒である。
通常通りの折り曲げ部分(下端から10㍉)を作ってしまうと伸ばした部分を裏面に折り返した後、差し込むのが本当に窮屈なのだ。これだけ折り曲げ部分の下をカットしておけば、それはない。加えて幅も狭くしてあるため、重ねて窮屈感がない。
最終的に折り返しをテープで台紙に貼り付けてセットは終了。ガタつきもなく、見栄えもとてもよい。本当によく考えられているスライドブリスターだと思った。
パッケージ解体はここまで。実は台紙に書かれているあるひと文が気になっている。
やってみた。
購入した製品のレビューは毎回動画なのだが、削りが早く終わり過ぎて動画にならない。テスト時の削り時間短縮に!が動画にはあだになった。
真空成形品を使ってみようよ!
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