第五十三回。【パッケージ解体】豆腐容器を使った店頭パッケージ 「木綿湯布」

第五十三回。【パッケージ解体】豆腐容器を使った店頭パッケージ 「木綿湯布」

【パッケージ解体】シリーズ。初めてパッケージを製作する。どういうものを揃えて、どういう仕様にしたらよいか分からない。ならば、パッケージの先人のまねをしてみることを勧める。もちろん、まねて良いこと悪いことは存在する。しかし、先人がこのパッケージをどういう意図で設計し作製したのかを理解することはとても有意義なことだと思う。そんな気持ちをこめて始めたこの【パッケージ解体】シリーズ。

本当は東京五輪の閉会式が行われるはずであった、8月10日。今年は特措法によって山の日が一日前倒しになって、土日そして祝日と三連休になった。

特にこれと言って行事も無し。これだけ連日コロナのことを放映されれば遠出をする気もなし。ならば、昼飯ぐらいは外で食べようと嫁さんと二人「 ららぽーと豊洲」に出かけた。もちろん、東急ハンズでのパッケージ散策も目論んで。

・豊洲場外食堂 魚金
先日の大規模リニューアルで「豊洲ベイサイドクロス」の中に出来たららぽーと豊洲3号館。本家「魚金」は席が取れない。魚金を多少なりとも味わえるこの店のランチ定食がとても気に入っている。もちろんこの日もここで美味しく昼食をとった。

ららぽーと豊洲内東急ハンズ。まだまだ夏真っ盛りの品揃えだった。

さて、東急ハンズ。衣料店ではすでに秋物が店内に飾られているこの時期だが、ハンズ内は夏真っ盛り。冷感タオルや夏の季節ものが入口近くに大きく展開されていた。

店内を隈なく散策。結果、この日購入したパッケージは2点。今日はそのうち1点、本来の用途とは違った使い方をしたパッケージを解体したいと思う。

今日のパッケージ解体は「木綿湯布」。豆腐容器が手ぬぐいのパッケージとして使われている
(株)・中川政七商店「木綿湯布」

1/22018年11月14日 1716 年創業の奈良の老舗、株式会社中川政七商店(所在地:奈良県奈良市 代表取締役社長 十四代 千石 あや)は、豆腐のパッケージに入ったご当地手ぬぐい「木綿湯布(もめんどうふ)」を、“いい風呂の日” である 2018 年 11 月 26 日(月)より日本各地の温泉地にて限定発売いたします。

お馴染みの豆腐の容器に入っているのは木綿豆腐ではなく、“木綿”生地でできた手ぬぐい。日本各地で受け継がれてきた木綿や染めの技法を使い、ご当地の魅力あふれる手ぬぐいとして商品化しました。その土地の温泉地でしか買えない、新しい土産ものです。

決まりでしょ。だって格好のターゲットだもの。今までのこの【パッケージ解体】ではおもしろいデザインのものは取り上げてきたが、「企画モノ」は初めて。

木綿湯布ラベル。ご当地の木綿や染めの技法を使い、その土地の温泉地でしか買えない、新しい土産もの

この中川政七商店という会社。調べてみると1716年創業、現在では生活雑貨を広く商っている大企業らしい。奈良晒(さらし)の商いから始まって、現在でも手績み手織り麻にこだわった商品作りを続けているというからこの手ぬぐいも確かなものなのだろう。

が、もしこのユニークなパッケージでなければ、わたしはこの商品を手に取らなかったに違いない。と言うか、気づかなかったと思う。そう考えると、こういう企画モノというのはエントリーモデルとしても大いに役に立つと言える。

木綿湯布パッケージ一式。容器にふたをするためのシール

パッケージ一式。豆腐同様、シンプルなものだ。まさに豆腐容器とふたをするための透明のフィルム。フィルムの外周部、容器との接着部分にはソフトな粘着剤がついている。

この記事を書いている最中に入れたり出したりを何度も行ったが、きれいに開けられるしきれいに戻せる。解体作業のためにあるようなこの粘着仕様。グー。

ただ、簡単に開けることができるが、開けられもする程度のソフトな粘着度。何かしら特別な仕様なのかもしれないが、心配性なわたしはちょっと気になる。

成形品の裏を見ると色々なことが分かる

豆腐容器と言えば「補強リブ」。補強リブの例は必ず「豆腐容器」にわたしはしている。豆腐容器の生産ロットは半端ないだろうから、メ型で型を目一杯多くつける。材料もできる限り厚くしない。「メ型+厚くしない」というなら、補強リブ地獄とするしかないだろう。

メ型と言えば、その真空成形品がオ型なのかメ型なのかをどう見分ければよいのだろうか?そう疑問に思ったら、真空穴の位置を見て欲しい。

この豆腐容器を見ると上の画像のとおり四隅の角のポツンと痕がある。これが真空穴。一般的にはこの穴から下に真空することになるから、この型はメ型。

メ型の真空方向

真空方向はこんな感じ。「底面からの気づき」つながりで言えば、底面には材質を表す「プラマーク」が表示されていることが多い。この豆腐容器はPPの表示があるからこの材質はPP(ポリプロピレン)。軽く、柔らかい成形材料である。

既製品だと思われる型番

真空穴、プラマークと来て「No.20K」とある。絶対とは言えないが、既製品の型番であろう。企画モノだけにアリモノを使った方が得なのだろうな。しかし、豆腐容器も既製品があるんだ。

調べてみた。「No.20K」と打ち込むとそれらしき既製品(積水化成品関西)が出てきた。知らなかったぁ、豆腐容器って形状・大きさにこんなにバラエティがあるんだ。しかも、「京都型(正方形)」「大阪型(長方形」なんて型式もある。

加えて、「ノーリブ」という仕様もあるじゃないか!まずいよ、これじゃ「豆腐容器と言えば補強リブ」の説明が使えなくなる。

豆腐容器を使った店頭パッケージは、季節もの・企画モノコーナーで目立っていた

季節もの・企画モノが所狭しと並べられている特設コーナーで、わたしが手を伸ばし結局購入にまで至ったこのユニークなパッケージ。解体延長で豆腐容器の勉強もできた今回の【パッケージ解体】であった。

手ぬぐい展開

じゃーん。手ぬぐいを広げてみた。買う時にどの模様にするかまよった。写真を撮ることになる。いつものとおり、障子をバックに。ならば、からし色が映えるんじゃないか。どうだろう。

真空成形品を使ってみようよ!

  • ‘これから’という元気なお客様とのお取引も大切にいたします
  • むずかしい専門用語は使いません。分かりやすい仕事をめざします
  • 真空成形品導入の際にネックになりがちな、型の製作費用の節減をめざします
  • 限られた時間の中で丁寧な仕事をめざします。お客様へ安心感のご提供を志しています