第五十回。【パッケージ解体】1967年 ‘大きいことはいいことだ’ 2020年 ソフト99「サンドキューブ」‘小さいことはいいことなんだ’

第五十回。【パッケージ解体】1967年 ‘大きいことはいいことだ’  2020年 ソフト99「サンドキューブ」‘小さいことはいいことなんだ’

【パッケージ解体】シリーズ。初めてパッケージを製作する。どういうものを揃えて、どういう仕様にしたらよいか分からない。ならば、パッケージの先人のまねをしてみることを勧める。もちろん、まねて良いこと悪いことは存在する。しかし、先人がこのパッケージをどういう意図で設計し作製したのかを理解することはとても有意義なことだと思う。そんな気持ちをこめて始めたこの【パッケージ解体】シリーズ。

「大きいことはいいことだ」という文句を知っているだろうか?50半ば~の人たちなら恐らく歌えるのではないか。高度成長期の日本を象徴するような、楽しく勢いのあるCMだった。

あれから半世紀あまりが経ち、世の中も大きく変わった。戦前戦中戦後を生き抜いてきた親の世代がよく口にした「もったいない」という言葉が「MOTTAINAI」と言う文字に変わって日の目を見るようになった。

日本産業の象徴である車産業でもコンパクト、ダウンサイジングという言葉をよく聞くようになった。使い捨て、ポイ捨ての象徴であるかのようにプラスチック製品の使用量抑制の話題もよく耳にする。2020年の今、「小さなことはいいことなんだ」子供たちはそう思っていくのだろう。

「サンドキューブ」成形部分が小さいのが特徴
・ソフト99「サンドキューブ」

で、今回の【パッケージ解体】はソフト99「サンドキューブ」。ご覧のとおり、プラ部分がものすごく小さい。IKEAの回のすぐ後、「脱プラスチック」の様子見が抜けない状態でパッケージ散策に出かけた故である。

これをW型シェルと呼んでいいですか!と思ってしまうほど、成形部分が本当に小さい。シェルパッケージと言うよりは「台紙の付属品」というのが適当かもしれない。

サンドキューブ
塗装の下地作りがコレひとつで完了するサンドペーパー。四角の面にそれぞれ番手の違うサンドペーパーを配置しているので、順番に使うだけで塗装前に必要な下地作りが完了します。 また、サンドペーパーの研磨面に用途と番手が印刷されているので、サンドペーパーを使ったことの無い方でも迷うことなく使用することができます。 研磨状態が一目瞭然となる水切りワイパー機能も搭載しています。

W型シェルとしてしっかり立脚

パッケージ全体の全長200㍉に対して成形品部分は75㍉。 なりは小さいがしっかり立脚もし、シェルパッケージの機能は十分に果たしている。

「サンドキューブ」パッケージ一式。台紙1、シェルパック1の構成

台紙1、W型シェル1のパッケージ構成。

台紙は二つ折りで裏面に番号が入っている

台紙は二つ折り、裏ネズのところを見ると用紙はコートボールだろう。この番号はどういう目的で入れられているのだろう?

パッケージを留めるかんごうは2か所

パッケージを閉めるカンゴウはシンプルに2か所。ゴリゴリの逆勾配ではなく開けやすい。ただ、他にテープやホッチキス止めがないことを考えるとも少しがっちりやっても良いような気がした。

シェルの収納ポケット部分は、製品より大きめに作られている。こういう仕様のパッケージは「他の製品との共有」をベースに作られるのが筋だ。台紙も内容を変えても大きさ・形を変えなければ、抜型を使いまわせる。シェル部分もガタついても問題がない製品ならば共有だ。

パッケージ越しに見ると型により触れる凹(ポケット)部分でさえ、向こう側のキーボードをそこそこ映る。きれいな成形品だ。

さて、このミニミニシェルパッケージ。台紙に穴が5カ所。セットのしやすさはどうだろうかと試しにやってみた。カンゴウの凸と台紙の穴がセットするためのガイド役になって、すごくやりやすい。これはいいと思った。

今回解体したこのソフト99「サンドキューブ」パッケージ。個人的にはとても好感がもてる。前述のとおり使い勝手やコスト感が良さそうだ。そして、時代の流れにも沿っているとも思う。その趣旨に合わせて仕様が決められたのかは分からないが。

わたしは、プラのパッケージ・梱包材はなくならないと思っている。しかしこれからは、より時代の要請に合わせていかなくてはいけなくなることは間違いないとも思っている。

50年前には「大きなことはいいことだ」と多くの人が思ったかもしれない。しかしこれからは「小さいことはいいことなんだ」と多くの人が思っていくのだろう。